「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばない、呼ばせない

 「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばない、呼ばせない。

 差別用語、あるいは禁句というものがある。たとえば「沖仲士」「産婆」「土方」「どもり」「飯場(はんば)」「養老院」「裏日本」などがそうである。

 こういう言葉はそれぞれ「港湾労働者」「助産婦」「建設作業員」「言葉に障害のある者」「作業員宿舎」「老人ホーム」「日本海側」と言い換えなければならない。

 どうも解せないのは、こうした差別用語、禁句の中に「過去帳」という言葉が含まれていることだ。

 「檀家記録」と言い換えなければならないらしい。

 それはともかく、「おじいちゃん」「おばあちゃん」という言葉、これも時と場合によっては禁句になりつつある。

 孫が祖父、祖母に向かって「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼びかけるのは当たり前のことだけど、他人に向かってこの言葉を使うときは、よほど用心したほうがよい。

 八十歳のご婦人に「おばあちゃん」と呼びかけたら「わたしゃおばあちゃんて呼ばれるのあまり好きじゃないんですよ」とたしなめられたことがある。

 人間、八十を越えても「おじいちゃん」「おばあちゃん」呼ばわりしてほしくない人がいるのだなと、そのとき教わった。

 で、自分自身はいったい何歳になったら、「おじいちゃん」と呼ばれても抵抗なく「ハイ」と返事ができるだろうかと考えてみた。

 おそらく八十五歳になっても抵抗を感じるのではあるまいか。(もちろん、それまで生きておればの話だが)

 であるから、お互い九十を迎えるまでは「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばないようにしよう。呼ばせないようにしよう。



お導師からのメッセージ



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